税務調査コラム
税金の申告をしていない方、いわゆる無申告で不安な方 大丈夫です。№2
2020.08.26
影響を受ける事業者への助成金や融資などの手続きの相談に、
当グループの税理士事務所に来られるということがかなりありました。
どうすればいいかわからず困ってらっしゃること、
いざ所得金額などを計算する際に様々な苦労・難しい点があることを
今更ながら再認識しました。
これまで税金の申告をしてこなかった方、
またアフィリエイトの報酬、FXの所得、
仮想通貨(暗号資産)やオンラインゲームの通貨(GC)などの
売買(RMT)などによる所得、
MLMによる報酬などを申告していない方なども
この記事を読んで、信頼できる税理士への相談や税金の申告の
参考にしていただければ幸いです。
※2020年8月配信当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
Contents
⑵ Aさんの状況確認(つづき)
◇ 税務調査対応における 税金の申告をしていなかった方、無申告の方の配慮ポイント ◇
1 正確な所得金額や消費税額を認識していない、理解していないという点
① 取引に関する帳簿をつけていない、データを残していない
② 取引の証拠資料(納品書・請求書・領収書など)を完全に保管することはできていない
③ 過去数年間の所得金額や消費税の金額が正確に幾らになるのか計算したことがない
という状態なのです。
➢ ポイント
2 調査を受ける方に調査の結果や影響に相場観・現実感がないこと
100万円の所得金額が申告漏れとなっていた場合、
物販業による事業所得の方で 自身の所得税の税率が10%の方だと、
所得税10万円と延滞金と場合によっては加算税を追加で納付すること、
また住民税については税率10%で住民税10万円が追加となり、
更に事業税が課税される場合は事業税の税率5%で5万円が追加になる
ことなど、100万円の所得が申告漏れであった場合、
所得税・住民税・事業税だけで25%強、3割くらいの追加納付が必要となる
ということを容易に理解できるのです。
指摘された内容さえ正しければ納得して終了しやすいわけです。
・ 「税金は開業して3年、5年はかからないので申告しなくていい。」、「税務署に申告したら半分税金で持っていかれる。」などという根拠のない情報を信じる方
・ 「『そんな金額払えない』とゴネれば何とかなるだろう。」という「ごね得」を信じる方
・ 「税務署が来たらしょうがない。指摘された金額を払うしかない。」とあきらめる方
が多いのです。
「そうは言っても、記帳も記録もないんでしょ?!」、
「そう言うのなら正確な取引金額や決算書を証拠を添えて出してください。」、
「そもそも申告していませんよね!」
と言われると、
上述したとおり ご自身の記帳・記録の保存が不十分なため、
「書類が残っていないから仕方ないか」、
「幾らが正しいのかよくわからないけど税務署が言うのなら仕方ないか」
とあきらめて、
実態に即した所得金額や税額を追究することなく(=心から納得することのないまま)、最終的には税務署の調査額で終了することも非常に多い
というのが、税金の申告をしていなかった方、無申告の方のもう一つの配慮すべきポイントなのです。
3 以上を踏まえた対応
記帳や記録の保存が完全ではなく実際の金額を算定することができない場合であっても、
調査を受けている方の業務の内容や状況、
更に生活の状況、資産や負債、消費支出などの状況などについて、
過去から現在に至るまでの状況を確認するとともに、
現在進行中の年分については正しい記帳方法や記録の保存方法を
習慣づけていただくなどして、
極力多くの資料(証拠)を集めて、
実態に近い所得金額や税額を算出することとしています。
◆ Aさんのケース
・ 開業以来、売上はかなり増えているが受注単価は、それほど上がっていない
→ 外注費など費用の増加割合の方が高い → 所得や資産は増えていない
・ 受注拡大のための接待交際費が増えている
→ 所得や資産は増えていない
・ 過去の年分については、費用に関する領収書で保存がないものが多数ある
→ 現在残っている領収書だけで計算すると、所得金額は実際よりも過大となる
・ 生活の状況は開業以来大きく変わっておらず慎ましいものである
→ 資産・消費支出は増えていない、負債は減少していない
・ 過去の年分においてはそれぞれ様々な特殊事情があったこと
→ 税務署が行う一般的な推計課税(各年の売上金額を基礎とした同業者比準方式)を適用されるとAさんの特殊事情が反映されず、所得金額は実際よりも過大となる可能性が高い
イ Aさんの調査対応の状況
◆ Aさんのケース
Aさんの場合はどうだったかと申しますと、
税務署の調査担当者は、Aさんから提示された売上のデータや預金通帳をみて、「開業以来、売上はかなり増えているので利益もかなり増えたのではないですか。月にどれくらい残りますか。」と質問していました。
この質問に対し、Aさんは
「そうですね。20万か30万かなぁ。帳面がないのでわかりませんが…」と答えていました。
「Aさんは、毎月の手元に残るお金(=最終の儲け)が少なくとも20~30万円以上あることを認めた」と解釈し、調査で確認した売上データとこの応答に基づいて、見込みの調査額(追徴額)を算定し、Aさんに伝えたのです。
皆さんは、Aさんのこの応答や対応をどう感じましたか。
皆さんは、調査担当者の「月にどれくらい残りますか。」という質問の意図を理解できますか。
調査担当者の質問の意図は、
「何もかも使って手元に残るお金はどれくらいですか?=月の所得金額」を尋ねたつもりなのだろうが、
日々の記帳や記録の保存ができていない人に、調査の初期段階で、それも、現場ごとの利潤のことか、
月の所得金額のことか、資産の増加のことかわからないような曖昧な質問をするなんて…
この担当者はあまり調査に精通していないんじゃない と思いました。
「外注費や現場での消耗品などを支払った後はどれくらい残るか」と尋ねられたのだと思って答えた
ということでした。つまり、現場ごとの粗利益を答えたのですね。
・ 自分は帳面をつけていないので年間の所得や消費税の金額は全くわからない。
→ どれだけあるかわからない → そんなにあるかどうかもわからない
・ 税務署の調査官がそう言うのなら、それだけ払わないといけないのだろう。
→ 仕方ないのかな → どうすればいいかもわからないなぁ
・ お金はないがどうやって支払えばいいのだろう。
と考え、いわゆる、あきらめの心境と漠然とした不安しかなかったと
仰っていました。
➢ 仮に調査を受けている方が税務署の調査担当者へ誤った回答・対応を行っていた場合であっ ても、調査担当者の誤解などを私の方で訂正すること
➢ 調査を受けている方の実情や実態、取引の事実などを税務署の調査担当者にうまく説明できなかった場合も、私の方で事実・実情に即した課税となるよう主張や証明すること
ができるわけです。
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このコラムに関連するコラムはこちらです。
税金の申告をしていない方、いわゆる無申告で不安な方 大丈夫です。№1
税金の申告をしていない方、いわゆる無申告で不安な方 大丈夫です。№2
税金の申告をしていない方、いわゆる無申告で不安な方 大丈夫です。№3
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☆ 本件のポイント(最終回の「まとめ」より)
「ここは、前回、そこそこの金額を抵抗もせず払ってくれた。」
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※ 当コラムなどの内容等に関する質問は一切受け付けておりませんのでご留意ください。
◇ ほわいと税理士グループ 当事務所の取組方針
一般の方だけでなく、税理士など資格のあるプロの先生方が
税務に限らず
「この場合、どう対応したらベストなの?」
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「今更、誰にも聞けない…これってどうしたらいいの?」
などと迷う時に
① 事実・実情・証拠などを確認し、最適な助言を、早期に、確実に行います。
② ご要望に応じ、最適の対応を行うための具体的な支援
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