税務調査コラム
税金の申告をしていない方、いわゆる無申告で不安な方 大丈夫です。№1
2020.08.25
いざ所得金額などを計算する際に様々な苦労・難しい点があることを今更ながら再認識しました。
これまで税金の申告をしてこなかった方、
またアフィリエイトの報酬、FXの所得、
仮想通貨(暗号資産)やオンラインゲームの通貨(GC)などの
MLMによる報酬などを申告していない方なども
参考にしていただければ幸いです。
※2020年8月配信当時の記事であり、以後の税制改正等の内容は反映されませんのでご注意ください。
Contents
私が受任するまでの状況
納税者の方(Aさん)の状況
今回の税務調査が始まって取引先からの紹介でB税理士に委任。
経費関係は、領収書が未整理状態で保管(請求書の保存は少ない。)。
税務調査の状況
税務署の調査の状況は、次のとおりでした。
1 調査担当者: 所轄税務署 個人課税部門(一般調査担当) 1名
2 事前通知があり、調査担当者が自宅に臨場。
3 調査の初日に対応したのは、Aさん一人。
4 調査担当者は、事業概況を聴取後、帳簿等の状況を確認。Aさんが提示した売上データと預金通帳等を調べ、経費関係については聴き取りを行った。
5 調査担当者は、当初、5年前までさかのぼって是正すると言っていたが、途中から是正は過去3年間とするのでなるべく早く申告を行うよう指示した(是正額は、所得税・消費税の本税だけで200万円追徴=国税・地方税等を合わせた追加納付額は数百万円となる)。
6 その後、Aさんは取引先の紹介でB先生へ相談・依頼。
B税理士から私への依頼の内容
B税理士から私への依頼された事項は次のとおりでした。
① Aさんは、Y年分を除いて無申告であり、帳簿・書類は完全ではなく不備が多い。
② 税務署は、各年分の売上を把握し、売上は増加しており、Y年分の申告売上は明らかに少ないこと、その他の年分も相当な所得税・消費税になることを指摘し、売上を基に、推計課税を行う方針であると聞いている。
③ このように圧倒的に納税者が不利な状況での調査対応を支援して欲しい。
調査の最終結果
私の対応
⑴ 税務署の調査内容の確認
⑵ Aさんの状況確認
⑶ ⑴、⑵を踏まえ最善と思われる対応策を検討・実施
⑷ 調査担当者と交渉
⑴ 税務署の調査内容の確認
ア この調査の税務署の意図は?
これは、この調査は、調査担当者がたまたま選んだ事案なのか、そうではなく税務署に何らかの資料情報や方針があり、それが原因でAさんを調査しているのかを把握するということです。
税務署がどのようや資料や情報を持って調査に来ているかはわかりませんし、教えてくれることはごく稀です。
税務署に何らかの意図があるのであれば、その資料情報の内容を解明・確認されるまで、またはその方針に沿った形が整うまでは、調査は終わらないことになりますので、当方もそれを踏まえた対応を検討することとなります。
そうではない一本釣り的な選定であれば、単に一事案の処理に向けて対応することとなります。
イ 調査担当者が調査で確認した内容は?
これは、調査担当者が、何を質問し、検査したかを詳細に確認することです。
この確認により、税務署の調査の方向性を見極めるとともに、税務署と調査を受けている方、双方のストロングポイントとウィークポイントを分析・検討することができ、当方が取るべき適切な対応策を検討することが可能となります。
前にも記載しましたが、調査担当者は、事業概況を聴取後、帳簿等の状況を確認して、保存のある売上データと預金通帳等を調べ、経費関係については聴き取りを行っただけでした。
ウ 調査の終結に向けた意向は?
これは、調査担当者やその上司が、この調査をどのような形で終わらせようとしているか、税務署の終結に向けた許容範囲(遡及年数、税目、加算税の種類、税額、終結期限など)を把握することです。
この確認により、落としどころを含めた当方の取るべき適切な対応策を検討することが可能となります。
⑵ Aさんの状況確認
ア Aさんの実情の確認
最初に、私が調査着手後に関与することとなった場合の取組み方針について説明いたします。
私が関与した際には、まず、調査を受けている方の業務の内容や状況、更に生活の状況、資産や負債、消費支出などの状況などについて、過去から現在に至るまでの状況を確認することとしています。
これは何故かと申しますと、個人に対する税務調査の場合は、事業に関することだけが対象となるわけではありません。
税務署は、調査を受ける方の 過去数年間の
全ての所得(事業所得以外の利子、配当、不動産、給与、退職、山林、譲渡、一時、雑という所得)と所得控除の内容、更に税額控除の内容に関する事項を調査対象とするのです。
つまりその方の
調査対象年分における
全ての経済取引 = 人、もの、金、その他の資産の流れ
を調べると言っても過言ではありません。
ですから、私が税務調査に適切に対応する方策を検討する上では、調査を受ける方の業務のことだけでなく、生活の状況も含めて全て確認することとしています。
特に、税金の申告をしていなかった方、無申告の方の場合、税務調査の対応において幾つかポイントがありますので、時間をかけてでも調査を受ける方の状況をつぶさに確認する必要があります。
************************
今回はここまでです。
次回は、税金の申告をしていなかった方、無申告の方の税務調査対応における配慮ポイントなどについて記載します。
このコラムに関連するコラムはこちらです。
税金の申告をしていない方、いわゆる無申告で不安な方 大丈夫です。№2
税金の申告をしていない方、いわゆる無申告で不安な方 大丈夫です。№3
———————————————————————–
☆ 本件のポイント(最終回の「まとめ」より)
「ここは、前回、そこそこの金額を抵抗もせず払ってくれた。」
———————————————————————–
※ 当コラムなどの内容等に関する質問は一切受け付けておりませんのでご留意ください。
◇ ほわいと税理士グループ 当事務所の取組方針
一般の方だけでなく、税理士など資格のあるプロの先生方が
税務に限らず
「この場合、どう対応したらベストなの?」
「これって、本当にこの判断でいいの?」
「今更、誰にも聞けない…これってどうしたらいいの?」
などと迷う時に
① 事実・実情・証拠などを確認し、最適な助言を、早期に、確実に行います。
② ご要望に応じ、最適の対応を行うための具体的な支援
(資料作成、面接‣出張、複数関与、複数受任・共同受任・復代理など)を行います。
☆ スポットで支援することが業務です。
「顧問先を奪われるのでは?」という心配は不要です!