税務調査コラム

記帳や記録、帳簿や書類の保存は最も重要です!

2019.08.19

私どもは、お引き受けした仕事の中で、記帳や記録、帳簿や書類の保存について適切に助言・支援いたします。
例えば、まず、記帳や記録、帳簿や書類の保存は、何故必要なのかからご説明します。

帳簿や請求書などの書類は、所得税や法人税の所得金額の計算上においては、売上、原価、費用などの証拠として必要なものですが、仮に記帳や保存がない場合でも、支払った事実や支払いに合理性があれば認められる場合もあります。

所得税や法人税は、所得金額を計算すれば税額が算出されるというものではありません。
そこから、税法上の調整(損益通算、税務上の調整、純損失等の繰越控除、所得控除など)を行い、課税標準を算出します。
この課税標準に対する税額を計算したのち、各種の税額控除(源泉徴収税額、住宅借入金等特別控除、外国税額などいずれも証明書類が必須)を行って最終的に納付すべき税額を算出します。

一方で、消費税の計算は、簡単に言えば、所得金額の計算というものではなく、課税標準に対する税額と税額控除の計算ということになります。
まず、売上に対する消費税額を計算します。
次に、仕入や経費などに対する消費税額を計算します。
売上に対する消費税額から仕入や経費などに対する消費税額を差し引くのですが、これは税額の控除です。これを仕入税額控除と言います。

消費税法30条7項では、仕入税額控除について帳簿及び請求書等の保存がない場合には適用できないと規定されています。

つまり、消費税においては、帳簿及び請求書等がなければ、税額控除は「認められない」、なければ差し引かれないということになります。
これは、実際は経費を支払う際に支払った(負担した)消費税をもう一度支払うことになるので、大変な負担となります。

つまり、消費税では、帳簿や請求書などの書類は、消費税の計算上必須のものなのです。
これらの書類がちゃんと記載・保存されていれば、税務調査において、納税者にとっては防具、盾となりますが、もしなければ、防具なしに戦うことにほかなりません。
そうなると、調査の結果は、本来支払う必要のない莫大な消費税を支払うこととなります。
私どもは、調査以後、そのような事態とならないように、調査の途中において、調査を受けておられる方の実情を確認して、その方に合った記帳や記録、帳簿や書類の保存などの方法について適切に助言・支援いたします。